横浜駅直結ビルに「gooz」 コスト抑制の新出店モデル確立へ スリーエフ

できたて弁当、基幹店から配送

当初5月に開業予定だった、JR横浜駅直結の新複合施設「JR横浜タワー」。新型コロナの影響から遅れていたが、6月18日から順次オープンしている。

オフィスフロアである12階に出店したのが、店内調理のできたて惣菜などを提供するスリーエフの新業態コンビニ「gooz(グーツ)」だ。旧「スリーエフ」がローソンとのダブルブランド店舗「ローソン・スリーエフ」に全面転換した後も、独自の業態として存続を図ってきたグーツの新たな可能性を探るべく、初のビル内立地への出店にチャレンジした。

さまざまな種類を揃えるグーツコーヒー
さまざまな種類を揃えるグーツコーヒー

スペースや景観上の問題から通常のコンビニのようなウォークイン冷蔵ケースが設置できないなどの制約がある中で、グーツの強みを生かした売場を展開。できたて弁当や焼き立てのパン、自社焙煎による淹れたての「グーツコーヒー」などを販売する。グロサリーや飲料も含め、アイテム数は通常のコンビニの3分の1程度だ。

昨年の全面改装で厨房を拡張した「グーツいちょう並木通り店」から約3km離れた横浜タワー店まで、平日のランチ時間帯に合わせて弁当などを配送。この新スキームにより、従来よりも厨房スペースを大幅に削減するとともに、ランニングコストも通常のコンビニ並みに抑えられた。

隣接する屋外スペース「うみそらデッキ」からは、晴れた日には横浜港が見渡せる。同店では、この眺望をイメージした青いソフトクリーム「うみそらソフト」や、キリンのクラフトビールも提供。仕事の後や休日に、ビールを飲みながらデッキでくつろぐこともできる。

横浜タワーへの出店は、地元・横浜の企業であるスリーエフとして悲願だった。

弁当は平日11時ごろに配送される(gooz(グーツ))
弁当は平日11時ごろに配送される(gooz(グーツ))

「ローソン・スリーエフ横浜市庁舎店を新市庁舎に移転するのが20年度の大きな目標だったが、残念ながらコンペに参加できず落胆していたところ、JRさんからこちらのタワーの話をいただいた。横浜の象徴的な事業として、面白い取り組みができないかと考えて出店を決めた」(山口浩志社長)。昨年の早い段階からアプローチを進め、出店にこぎつけた。

そこへ襲ったのが、想定外のコロナ禍だ。当初の5月オープン予定は6月にずれ込んだ。その後も外出自粛やテレワーク、オフィス入居の遅れなどの影響で、開店から1週間の段階でも日販は想定する47万5千円の3分の1程度にとどまっている。

ただ、昨年改装したいちょう並木通り店では手ごたえも得た。近隣で働く人たちのランチ需要にとどまらず、週末の観光客も含めて多様なニーズを獲得しつつあるという。

「今まで飲食店に行っていたお客さまがテイクアウトをするようになり、店の使われ方が変わってきた。オフィス立地だとテレワークの影響が直撃するが、多種多様な客層にわれわれのパッケージを提案するとともに、イニシャルコストを抑えることでフレキシブルな店作りができる。これもグーツの強み。コロナに委縮せず、次の出店につなげていきたい」(グーツ事業統括部長 井上良幸氏)。