サントリー アサヒなど12社 プラ再資源化へ新会社設立 環境負荷少ない再生に挑戦

サントリーMONOZUKURIエキスパート、アサヒグループホールディングスら12社は、使用済みプラスチックの再資源化に取り組む共同出資会社「(株)アールプラスジャパン」を設立し6月から事業を開始。27年の実用化を目指している。6月30日に開かれた会見でサントリーホールディングスの新浪剛史社長は「プラスチック問題は喫緊の世界的課題だ」とし、「テクノロジーといった切り口でプラスチック問題に取り組みたい」と意気込んだ。

現在、国内ではペットボトル以外のプラスチックは多くが燃焼されており、発電や熱供給に活用するサーマルリカバリーとしても利用されている。

新会社は米国のバイオ化学ベンチャー企業アネロテック社のケミカルリサイクルの技術を活用。ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを直接原料そのものに変えることができ、従来の油化工程を経由するリサイクルよりも少ない工程で処理が可能。CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながるものと期待されている。

新会社の社長に就任したサントリーMONOZUKURIエキスパートの横井恒彦執行役員は「1回の変換でプラスチックの原料を生成できる技術は、われわれが調べた限りでは世界でも他にない技術だと考えており、最大の特徴だ」と胸を張る。この技術では多少の食べ残しが付いていても処理が可能で、理論上は何回でも再生できるという。

サントリーは12年からアネロテック社と植物由来原料100%使用ペットボトルの共同開発に取り組み、この中で環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術の開発可能性を見出したという。

競合関係にあるサントリーとアサヒが名前を連ねており、新浪社長は「アサヒが加わってくれて有難い。日頃の競争を超えて協力したい」と話す。

共同出資社は消費財メーカーからサントリーMONOZUKURIエキスパートとアサヒグループホールディングス、使用済みプラの選別・前処理の技術を有するJ&T環境、フィルム等の原材料分野では東洋紡、容器包装分野ではレンゴー、東洋製罐グループホールディングス、大日本印刷、凸版印刷、フジシール、北海製罐、吉野工業所、商社からは岩谷産業が参画している。また現在は住友化学なども出資を検討中だ。横井氏は「会員を募っているので興味がある企業は仲間に加わってほしい」と呼び掛けている。

東洋紡の楢原誠慈社長は「2050年にはフレッシュ原料をゼロにできないか、との気持ちで取り組んでいる」と意気込む。またレンゴーの大坪清会長は「あくまでもライセンサーの立場だが、同時にライセンシーの立場でものづくりができたら」と期待する。

横井氏は課題として、使用済みプラの回収方法と、日本のプラの組成を把握し、アネロテックと技術開発することを挙げており、開発については3年を目途に進めるとする。その後2~3年でプラントを建設、27年の稼働を予定している。開発後はアールプラスジャパン社がライセンスを獲得し、プラントオーナーからのライセンス収入を見込む。

新会社の意義の一つとして新浪社長は「民間が集まってやったということ」を挙げ、「民が一つになり技術があるからこそ、公にも回収などを要望できる」